4代目の意地
ひたちなか市にある『ほしいも 工房かけみや』代表の安智明さんは、代々ほしいも作りをしてきた農家の4代目。東京で教員をしていましたが、お父様が若くして他界されたことをきっかけに、地元に戻りほしいもを作ることを決めたそうです。
「農家をやるなんて、大変だしちゃんと暮らしていけるのかと周りには反対されました。でも、逆にそういう言葉を言われたから燃えたというか。小さい頃から親父や祖父の背中を見てきたので、"馬鹿にするな、ちゃんとやってやる"と思い、始めました。でも始めてみたら、給料は教員をしていた頃と比べ激減しました。それで、このままではいけないと思いました。」
安さんは、なんとかこの危機を脱しようと地元農家さん達との集まりに積極的に参加しては、その道のプロに様々なノウハウを教えてもらったそうです。
保存設備
近隣の農家のみなさん達に様々なノウハウを教わっていくなかで、今『かけみや』に必要なのは、【設備】だと感じたという安さん。
「鍵を握っているのは、原料(いも)の保存方法にあると感じました。まずは、保存庫。その名の通り一定の温度で保存して、芋を眠らせる冷蔵庫です。そして次に糖化庫。糖化庫というのは、芋を低温で約2週間ほど保存することで、芋の糖度が上がるという性質を利用した冷蔵庫です。今後のことを考えると設備投資は必須でした。」
この2つの設備に合わせ、温度調節もできる乾燥機を設置。これにより、以前とは比べものにならないくらい安定した品質のものが出荷できるようになったそうです。